オーストラリア サーフィン情報



Mike McCarthy: Fire Flood Freedom
Mike McCarthy
「FireFloodFreedom」  UD-2011

ジャンセン コラルド / オーストラリアンビーチライフ誌編集長
「 海 森 水辺 動物 空気 波 輝く月 ・・・
自然の中のライフスタイルを守るマイクのサウンドは 
セントラルコーストの自然の如く澄んでいる。 」








広大な大陸に人口の85%が海岸線に暮らすオーストラリアでは独自のビーチカルチャーが確立している。ジャックジョンソン、ビューティフルガールズ、ベンハ−パーといったアコースティックなルーツサウンドの人気度がアメリカ、イギリス、日本より遥かに高い。アメリカとイギリスの影響は否めないが独自のカントリーソウルが根強く定着している。それはロック フォーク ソウル レゲエ ヒップホップ等のファクターがクロスオーバーする多彩ではあるがアコースティックギターが基本にある。世界的主流と比べると、オーストラリアのサウンドは、少ない音数でシンプルに創り上げられたものが多い。中でもマイクマカーシーはカントリーサイドから知れ渡った「海の吟遊詩人」と称されている。

このオフィシャルなデビューアルバムがレコーディングされたスタジオはニールヤングのハーベストを思い起こさせる納戸を改造して作られた小屋だった。長い月日をかけて録音されたテープはシドニー市内のスタジオでミキシングとマスタリングされ完成した。普段のマイクは何処にでもいる20代に見えるが歌い始めると全くの別人になる。聴く者を彼の陶酔の世界に引き込むパワーは底知れない。弾き語り、ギターデュオ、バンド編成と多くのファクターを持つマイクだが、乾いたギターの音色とフェンダーローズピアノが合うシルクのように繊細な歌とギターだ。 

ライブはオーストラリア東海岸を中心に活動。ゴスフォード、ヌーサヘッズ、サンシャインコースト、ヤンバ等のカントリーサイドを中心に、マイクの心安らぐサウンドはレイドバックしているサーフタウンから受け始めた。彼自身カントリーなサーフタウン、アボカビーチ出身のサーファーである。2004年度サーフィンフィルム「ラインフロムアポエム」の音楽を担当、クラシックスタイルのロングボードを美しく描いたフィルムに優雅にシンクロするサウンドと高い評価を得た。プレミアムショーでライブを行い絶賛される。現在5月から6月のシドニーでのライブは全てソルドアウト。そのライブはレディオヘッズを髣髴させるクリアーな陶酔を感じさせる。

何も飾らない、シンプルなままで、メッセージを伝えるために歌うマイクマカーシーが注目され始めている。 戦争の時代だから心安らぐ音楽が求められているのであろうか?


マイク マカーシー