アンドリューキッドマン
Date of Birth : 1970年8月7日
映像製作者 音楽家
サーフボードシェーパー
詩人 写真家
サーフジャーナリスト,,,
サーフィンを様々な分野で具象化し
ていくオーストラリアの若手サーフ
クリエーター
次作「グラスラブ」は世界各地でのロケを終え
た。完成は2004年7月予定。現在はNSW州
バイロンの山奥の自宅で最終編集中。また
映像に合わせて数曲がレコーディングされ
ている。
出演はニールパーチェス、デレクハインド、
スティーブペズマン、トムカレン、スキップ
フライ、ジョエルフィッツジェラルド、ガスディ
ッカーソン他。
サーフィンフィルムの「バラッカ」に成り得る
作品。アルバム「スペースインビットウィーン
」の”ナラビーン”がタイトル曲である。 |
写真 アンドリューキッドマン、アンディーデービス、ヒューマックロード、ジョーカレン、マーシャルハットリ、矢口唯史
ストーリー 矢口唯史
アンダーグラウンドと言う表現がぴったり当てはまるサーファーといえばウエイン・リンチであろう。しかし我々の何人が真のアンダーグラウンドの意を知るのであろうか?1977年、テリー・フィッツジェラルドはウエインが10代後半で引退した後もヒーローとして語り継がれる事について「彼はアンダーグラウンドなんかじゃない、現にリップカールがスポンサーしているじゃないか」と皮肉ぽく言った。それは70年代の話、今はクイックシルバーがウエインをスポンサーしている。
現在もウエインは過去のヒーローではなく時代を超越して独自の世界をプッシュし続けるサーファーとして捕えられている。しかし実際のウエインは生まれ育ったビクトリア州グレートオーシャンロードのエアレイズインレットで両親と供に今もひっそりと暮らしいている。真冬のビクトリアの寒さといったら大部分のサーファーにとっては南極を骨身に感じることが出来る貴重な体験となるはずだ。時に15フィートを超える分厚いうねりが遥か沖の岩棚に炸裂するエグレた悪質なサッキンヒュージュなブレーク、凍てつくオンショアー、並みのパドル力では追い着けない強いカレント、重い垂れる雲、そんな家から出たくもない時にウエインはその波に独りのっている。だから誰も知らない。
エド小川はかつて「サーフィンは人の見えないところでやる」と言ったのを覚えている。その究極がチューブライディングなのだ。双眼鏡でやっと豆粒程度に見える遥か沖のサーファーはチューブの中に入るとその存在は軍事用体温感知機でもなければ確認出来ない。究極の自己快楽は誰も見えない世界でアートの領域にまで高れられる。
Q 「リトマス」でウエインリンチは重要な役割を占めているけど、彼の影響力はどんな
ものですか?
A ウエインは人生を教えてくれた。土地、文化、人々、宇宙、生命、全てが繋がって
いると言う事を教えてくれたんだ。結局のところ、サーフィンそのものついて話す以
上に人生について話す時間の方が遥かに多かったよ。サーフィンは自然、土地、
文化、人と切り離せない。だからサーフィンを学ぶことは人生を学ぶ事なんだ。だ
けど難しい事じゃない。ウエインと一緒にサーフィンする時は最高の経験だ。特に
チューブライディングを目の当たりに見ることは興奮そのものだ。完璧な程に均整 が取れている、しかもラジカルだ。でも多くのモダンサーフィンのようにアウトオブ コントロールには一瞬たりとも陥らない。ワイプアウトする時さえ完全にコントール 下にある。信じられるかい?余りに優雅すぎてどれだけ難しい事をやっているか解 らないくらいだ。波のパワーを最大限に利用する「波との調和」で、波と戦うのでは ない。
Q ウエインリンチのようなライフスタイルはオーストラリアでは根付いているんでしょ うか?
A 多分そうだと思う。みんなが想像する以上に彼のサーフィンは生活様式を通して 模倣される面があるんじゃないかな。ウエインは決してメインストリームを歩んで きたわけではない。自分自身の独自の小道を進んでいる。そして多くの人は、時 に万人が好みそうなものよりもウエインのような強いアイデンティティーを持つスタ イルに傾向する事もある。
Q でもウエインは変わらない、生まれ育ったグレートオーシャンロードで両親と暮らし ている、保守的ですか?
A ある人は同じ場所に住み同じ事を繰り返す事を保守的と考えるかもしれないが、
ウエインは自分の道を様々な形で進化させている。それはサーフィンをするのと
同じように生活すると言うことだ。
Q マーシャル・ハットリはあなたの「リトマス」から大きなイマジネーションを得て映画
「イマジン」を製作したと言っていましたが?実際にあなたの曲が使用されている。
A 発売されてから2年経ってフィルムを見て僕の曲が使われている事を知った。それ
はいいとして、中身は悪くないけど喋りが多過ぎる気がする。ストーリーはトッププ
ロサーファーが世界を回りパーフェクトウエーブ三昧。やがてはサーフィンが退屈
になる。でも最後にそれらを打ち消すかのようにガスが登場する。
Q ガス・ディッカーソンですね?
A 大好きだ。彼は僕のヒーローだ。ガスは誰もいけない波にテイクオフする。ガスは
危険で隔離された僻地が好きだ。以前単身スマトラのジャングル奥地の誰もいな
いパーフェクトウエーブへ陸路で辿り付きキャンプを張り、毎日独りで10フィート以
下に落ちない浅いリーフの波でサーフィンした。陸に戻ればマラリアの危険が充満
する。なぜそんな事をしたかって?ガスは金に任せてリムジンみたいな豪華ボート
をチャーターしてサーフィンする姿勢はサーファーが本来持つべき冒険心、地元と
の交流、強いては旅から学ぶ機会を捨てる行為だと判断した。それには僕も同感
だ。それに豪華ボートはゴミと毒こそ撒き散らして帰るが、それ以外何も残さない。
Q ガスはウエインの影響が大きいと思いますか?
A 確かに僕達はウエインリンチから深い影響を受けていると思う。
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Chapter
01・・Intro.
02・・Litmus
03・・・・・“The
Children of
Morning of the Earth”
04・・・・・ウエインリンチ
05・・・・・デレクハインド
06・・・・・マークオクルーポ
07・・・・・ジョエルフィッツジェラルド
08・・・・・トムカレン
09・・Sound
10・・・・・Gig at Avalon
11・・サーフボード
12・・サーフジャーナリスト |