写真　　　　アンドリューキッドマン、アンディーデービス、ヒューマックロード、ジョーカレン、マーシャルハットリ、矢口唯史
　　　　ストーリー　矢口唯史




南アフリカのジェフリーズベイでオッキーのフリーサーフィンを撮影しようとしたところ、ジャックマッコイがレンズの前に立ちはだかりたった。｢オッキーはビラボンの撮影で来ているから他は撮影出来ない。｣　アンドリューは争うことを避け何も言わずにその場を去った。全豪ジュニアを制して後、プロへの道を進まなかったのもサーフィンにエゴを持ち込む事を拒んだからである。こうした撮影を巡るトラブルは昔からある。｢俺が金払って連れて来ているから他は撮影もインタビューもお断り｣　古典的でもある。後日、近所の顔見知りの関係を利用して、ジャックに直接この件について尋ねた事がある。｢余計な事を考えるな、水平線を見ろ。ピンク色の雲が見えるだろう。あれは内陸から風に乗って流されてくる公害だ。｣と言った。アンドリューはオッキーのサーフィンから時代の方向性を変える鮮烈なパワーを感じていた。リタイア後トライアルからWQSを回り始めた頃のマークオクルーポである。世界一パーフェクトなライトハンダーのジェフリーズベイという檜舞台で再起を賭けて急角度に這い上がる撮影機会を奪い取られた無念さとは裏腹にオッキーのサーフィンを目の当たりにしてアンドリューは感じていた、必ず世界一になる。幸いにもピーターカークハウスがオッキーの撮影に成功した。しかもベルズビーチでのフリーサーフィン、そのベルズのリップカールプロでバートンリンチ以来２人目のバックハンドで98年優勝。そして99年最年長記録の33歳でWCT優勝。そんなストーリーが隠されている。撮影はオッキーが世界チャンピオンになる3年前の冬、その日のベルズはジェフリーズベイに負けず劣らず西からのうねりでパーフェクトだったそうだ。不死鳥オッキー復活のライディングをフィルムから判断出来る。


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